「慰謝料の時効」弁護士 片岡憲明

慰謝料の時効

配偶者の愛人に対する慰謝料請求権の時効は何年でしょうか?

慰謝料請求は不法行為に基づく損害賠償請求権であり、民法724条でその時効は3年となっています。

では、いつから3年なのでしょうか?

民法724条には、「被害者」が「損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。」との規定があります。

損害及び加害者を知ったというのがいつなのかは抽象的であり、必ずしも明確ではありません。

たとえば、配偶者が愛人と同棲していることを4年前に知ったとしましょう。そして、配偶者が愛人との同棲を最近やめたとしましょう。この場合、3年の時効の起算点を①同棲解消時期とすると、時効の問題はありません。しかし、②同棲を知った時が起算点だとすると、時効が完成してしまっていることになります。

最高裁は、②が時効の起算点だとする判断をしています(最高裁平成6年1月20日判決)。

但し、まだ3年経過していない同棲期間についてはなお時効が完成していないので、慰謝料請求が認められる余地があります。その額については一部ということで難しい判断になるだろうと思います。

最高裁判決の原文は以下の通りです。ご参考になさって下さい。


夫婦の一方の配偶者が他方の配偶者と第三者との同せいにより第三者に対して取得する慰謝料請求権については、一方の配偶者が右の同せい関係を知った時から、それまでの間の慰謝料請求権の消滅時効が進行すると解するのが相当である。けだし、右の場合に一方の配偶者が被る精神的苦痛は、同せい関係が解消されるまでの間、これを不可分一体のものとして把握しなければならないものではなく、一方の配偶者は、同せい関係を知った時点で、第三者に慰謝料の支払を求めることを妨げられるものではないからである。


これを本件についてみるのに、被上告人の請求は、上告人が一郎と同せい関係を継続した間、被上告人の妻としての権利が侵害されたことを理由に、その間の慰謝料の支払を求めるものであるが、被上告人が上告人に対して本訴を提起したのは、記録上、昭和六二年八月三一日であることが明らかであるから、同日から三年前の昭和五九年八月三一日より前に被上告人が上告人と一郎との同せい関係を知っていたのであれば、本訴請求に係る慰謝料請求権は、その一部が既に時効により消滅していたものといわなければならない。


そうすると、上告人の主張する消滅時効の抗弁につき、右の事実を確定することなく、これを排斥した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるというほかなく、その違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は、この点において理由があり、原判決中上告人敗訴の部分は破棄を免れず、右部分につき、更に審理を尽くさせる必要があるから、本件を原審に差し戻すこととする。

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