離婚の知識
不貞のトラブルを家族や職場に知られずに解決したい方
不貞が相手の配偶者に知られてしまうと・・・
既婚者と不貞行為(不倫・浮気)していることを不貞相手の配偶者が知ると、当該配偶者から、不貞行為の慰謝料等を請求されることがあります。
不貞のトラブルを周囲に知られたくないという悩み
不貞の損害賠償請求に関連して、よくご相談で伺うのが、家族や職場に知られないように解決できないかという内容です。
特に、自分にも家庭がある場合(いわゆるダブル不倫の場合)や、職場の同僚との不倫関係であるような場合には、不貞行為が唐突に暴露されて離婚危機になってしまうことや、職場で居づらくなってしまうリスクもありますから、このような悩みは、とても深刻であり、早期の対応が必要です。

もちろん、周囲に言いふらしたり、「慰謝料を払わないなら、ばらすぞ」などと脅すなどの行き過ぎた行為は、名誉毀損や脅迫などの違法行為にもあたりうるものです。
しかし、「何ら回答が貰えないので書面を送ります」など、違法とは言いがたい、もっともらしい理由で郵便を送りつけたりするなどされて、事実上、家族や職場に不貞のトラブルが知られてしまう場合があります。
どういう対処をすべきか
(1)相手方の感情に配慮を
早期の対応をするにあたっては、相手方の感情に配慮することが非常に重要です。
周囲に知られないうちに早く決着させようとして、相手方に対して、「元はと言えば、原因はあなたにあるのではないか」「慰謝料が高すぎる」などと一方的に責め立て論駁しようとしたり、無視を決めこんでしまったりすると、却って相手方の感情を刺激して、行動をエスカレートさせてしまうことがあるので、相手方の気持ちを考えた上で交渉することが大切です。
(2)協議が整ったら合意書(示談書)を
金額が合意に至ったら、合意内容をまとめた合意書を作成し、双方が署名押印します。
このとき、周囲に言いふらされる恐れがある場合には、不貞の事実や合意書の内容を口外することを禁止する口外禁止条項を入れておくことが有益です。
弁護士に交渉を依頼するという選択肢も
早めに弁護士にご相談いただくと、弁護士は、まず、相手方に対して、弁護士が代理人になったので、今後は、本人やその家族、職場に連絡をとらずに、弁護士に連絡してきて欲しいという内容の書面を送ります。
弁護士が間に入ると、多くの方は、不用意な行動は控えなければ、と考えて、直接交渉することを控えるようになります。
また、弁護士から、不当に周囲に言いふらすことは、犯罪にあたる場合もある等の説明を受けることで、弁護士を通じた交渉に応じて下さる場合もあります。
終わりに
本人同士での交渉は、往々にして感情の対立が激しくなり、難航しがちです。そういった意味でも、弁護士が関わることで、問題を解決しやすくなるといえます。
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監修者プロフィール

弁護士 片岡 憲明
弁護士法人 片岡法律事務所 代表
愛知県弁護士会所属 登録年(平成15年)
1977年岐阜県大垣市生まれ。東京大学法学部卒業、2001年司法試験合格。2003年より弁護士登録し、名古屋市を拠点に法律実務に従事。現在は、弁護士法人片岡法律事務所に所属。
企業法務・交通事故・民事再生といった案件に携わった経験をもとに、現在は個人・法人問わず多様な相談に対応している。特に、離婚・相続などの家事事件や、労働問題・特許訴訟など企業法務に強みを持つ。
愛知県弁護士会および日弁連の各種委員会にも長年にわたり参加し、司法制度や法的実務の発展にも尽力。現在は日弁連司法制度調査会商事経済部会副部会長を務める。
常に変化する法的課題に真摯に向き合い、依頼者一人ひとりにとって最良の解決を目指している。