面会交流(妻が子どもを連れて実家に帰り、子供に合わせてくれない場合)

夫婦が別居あるいは離婚をした場合でも、子にとっては、それぞれが父親・母親であることに変わりはありません。

子と同居していない親も、特段の事情が無ければ子に会うことができ、これを面会交流といいます。
今回はこの面会交流についてご説明させていただきます。

面会交流(妻が子どもを連れて実家に帰り、子供に合わせてくれない場合)
相談者
相談者

先日、妻が6歳になる子どもを連れて自宅を出て、実家に帰ってしまいました。
電話やメールで連絡を取っても、離婚するというばかりで話合いができず、まずは子どもの顔だけでも見たいといっても会わせてくれません。 何とか会うことはできないでしょうか。

弁護士
弁護士

夫婦が別居していても、離婚しても、子どもにとってはどちらも父親・母親ですから、基本的には親と子どもは会うことができます。
裁判所でも、子どもの健全な発達のためには、子どもが父親・母親双方の愛情を感じられるように、別居している親とも面会をすることが望ましいと考えられています。

相談者
相談者

「基本的に」ということは、会うことができない場合もあるのですか。

弁護士
弁護士

はい。
例えば、現在子どもと別居している親が、同居期間中に子どもに暴力を振るっていた等、面会交流をすることが子どもの健全な発達に悪影響を及ぼす恐れがあると認められる場合には、面会交流ができない場合があります。

相談者
相談者

暴力を振るったことはありません。
私は、子どもとは一緒に公園に行ったり、買い物に行ったり、とても仲が良かったので、私と子どもが会うことが、子どもにとって悪影響ということはあり得ません。
ただ、妻が素直に面会交流をさせるとは思えません。
子どもはまだ6歳なので、妻が認めないと面会交流をすることは難しいと思います。

弁護士
弁護士

話合いで面会交流ができない場合、家庭裁判所に面会交流調停を申し立てることになります。

相談者
相談者

面会交流調停とはどのようなものですか。

弁護士
弁護士

簡単に言うと、裁判所で面会交流について話し合いをする、という手続きです。
裁判官と、裁判所から任命された調停委員の方が、父母双方の言い分を聞いて、面会交流をすべきか否か、するのであれば条件はどうするか等について、話し合いを取り持ってくれます。
また、必要に応じて専門的知識を有する家庭裁判所調査官という職員が関与してくれる場合もあります。

相談者
相談者

調査官は何をしてくれるのですか?

弁護士
弁護士

調査官は、父、母、子どもから生活状況等の事情を聞いたり、場合によっては子どもの通っている幼稚園・保育園・小学校等からも、子どもの様子を聞いたりして、面会交流をすることが子どもの健全な発達に適うかどうかの調査をしてくれます。

相談者
相談者

子どもが私に会いたくないといった場合、どうなるのでしょうか。
妻は同居期間中から私のことを悪く言っており、別居後も、子どもに私の悪口を言って聞かせていると思います。
子どもがそれを信じて、私に会いたくない、というのではないかと心配です。

弁護士
弁護士

お子さんはまだ6歳と幼く、自主的な判断能力が十分に備わっているとはいえないので、面会交流の可否がお子さんの意向だけで決まることはありません。
それよりも、相談者様が同居期間中に、お子さんにどのように接していたかが重要になると思われます。

相談者
相談者

面会交流をする場合、面会の回数や方法はどうなるのでしょうか。

弁護士
弁護士

これは子どもの年齢や父母の関係等によって様々です。
目安ということでいえば、頻度は月1回程度とされることが多いです。
1回あたりの時間は、お子さんの年齢が2歳とか3歳とか幼い場合は、1、2時間程度とされることもありますし、小学校低学年くらいになれば、午前10時から、お昼ご飯を一緒に食べて午後4時までといった面会ができる場合もあります。

相談者
相談者

調停で、妻がどうしても面会交流をさせないと言った場合はどうなりますか。

弁護士
弁護士

その場合、調停は不成立に終わり、審判という手続に移行します。
審判では、裁判官が、父母双方の主張や証拠、調査官が作成した調査報告書等を考慮して、面会交流の可否や条件を決定します。
面会交流を認める決定が出た場合には、その決定に従って面会交流をすることができます。

相談者
相談者

裁判所が双方の言い分を聞いて判断してくれるのですね。
万が一、決定が出ても、妻が面会交流を拒む場合はどうしたらよいでしょうか。

弁護士
弁護士

その場合には、間接強制の申立てを検討することになります。
裁判所に、審判で定められた面会交流を1度拒む毎に、例えば5万円を支払え、といった決定を出してもらい、間接的に面会交流を強制するという方法です。

相談者
相談者

なるほど。
そこまでされたら、ほとんどの人が面会交流に応じそうですね。
そうしたら、まずは面会交流調停を申し立ててみようと思います。
ありがとうございました。

以上のように、夫婦の一方が子を連れて別居してしまった場合でも、他方の親と子は、面会交流によって定期的に面会をすることができます。お子様との面会交流についてお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

※2021年1月時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。

電話で問い合わせ052-231-1706
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