離婚のトラブル解決事例
【財産分与】夫婦で会社を経営していたところ、夫婦関係が悪化し、妻が会社を退職する代わりに、多額の現金を会社から取得できた事例
- 依頼者:女性(30代)会社役員
- 相手方:男性(40代)会社役員
- 子ども:3人
事案内容(相談までの背景)
夫婦で会社を経営していたが、夫婦関係が悪化し、一緒に会社を続けていくことができなくなった。
もっとも、今すぐ離婚するつもりはないが、当面の生活費として、会社から退職金等を受け取りたいと思っているが、受け取れるかということでご相談に来られました。
当事務所の活動結果(受任から解決まで)
会社に対して訴訟を提起し、依頼者が所持していた株の買い取りと退職金の支払を求めました。
夫婦で経営していた会社の非上場株式であったため、株価については、当事者間でかなり激しく争われましたが、当方に有利な内容で取り決めることができました。
また、退職金額についても、争いになりましたが、こちらも当方に有利な内容で取り決めることができました。
解決のポイント(所感)

本件事件は、形式的には、会社に対する訴訟であるため、離婚事件とは無関係に思えますが、夫婦で経営していた会社であり、会社の資産も、そのほとんどが夫婦の共有財産であることから、実質的には財産分与に関する事件でした。
※もっとも、財産分与は、あくまで離婚が成立したことを前提になされるものであるため、本件は財産分与そのものではありません。
そして、本件では、非上場株式の株価が問題になったところ、非上場株式の株価算定方法については、色々な考え方がある(類似業種比準方式、純資産価額方式等)ため、事案に即した主張を行う必要がありました。
そして、会社の資産内容や経営状況等を踏まえた上で、当方に有利な文献をもとに、純資産価額方式で株価を算定するべきという主張を行ったところ、純資産価額方式に則った当方に有利な内容で和解をすることができました。
退職金についても、退職金規程をもとに、想定される退職金額を主張したところ、満額とまではいきませんでしたが、比較的こちらに有利な内容で和解をすることができました。
非上場株式の株価算定については、専門的な知識が要求されるため、弁護士に相談されることをお勧めいたします。
「財産分与」カテゴリーの他の事例
- 【財産分与・養育費(婚姻費用)】財産分与額及び養育費額を大幅に増額させることができた事例
- 【財産分与】将来支給される予定の退職金を含めて、財産分与を受けることができた事例
- 【財産分与・養育費(婚姻費用)】妻の要求により、多額の生活費を払わされていた夫(単身赴任中)につき、生活費(婚姻費用)を減額すると共に、最終的には離婚が成立した事例
- 【財産分与・養育費(婚姻費用)】離婚公正証書を作成して離婚した事例
- 【財産分与】別居期間中に多額の婚姻費用を支払ったことを理由に、財産分与で相手方に支払うべき金額を減額できた事例
- 【財産分与・慰謝料】双方とも再婚の夫婦について、結婚前から貯蓄していた預金をつかって、新たに居住用不動産を購入した事案で、夫が不動産の権利を放棄する代わりに、金銭の支払いを受けるという財産分与が成立した事例
- 【財産分与・養育費(婚姻費用)】受任から僅か1ヶ月半で離婚合意が成立し、特に夫側から妻側に財産分与金を支払わずに済んだ事例
- 【財産分与】有責配偶者であっても離婚調停を成立させることができた事例
- 【財産分与・婚姻費用】結婚してから日の浅い夫婦について、離婚調停を経ることなく離婚を成立させ解決した事例
- 【財産分与】特有財産の主張が認められ、財産分与の支払額を減らすことができた事例