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Q&A よくある質問

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住宅ローンや電気等の公共料金も負担しているのに、婚姻費用を払わなければいけませんか?

私は現在37歳で、妻は32歳、専業主婦です。子供は7歳と、2歳です。

5年前に建売住宅を購入しましたが、住宅ローンを利用しています。私と妻は毎日のように喧嘩しており、私は我慢できず、勤務先近くの賃貸マンションで別居しています。

妻の男性関係が疑われ、私は、離婚をしたいと切り出しました。しかし、妻は離婚には応じない、生活費も払ってほしい、と主張します。

住宅ローンも払っているし、電気等の公共料金も負担しているのに、これ以上払わなければいけないでしょうか。

夫は婚姻継続中、別居の有無にかかわらず、婚姻費用(生活費)を支払う義務があります。夫は、自分と同じレベルの生活を、妻にも保障しなければならないという生活保持義務があるからです。
もし婚姻費用を払わないと、妻は、家庭裁判所へ婚姻費用分担調停の申し立てをするでしょう。

この調停にはご自身でも対応できますが、たんに、「こんなひどい妻からの請求はおかしい。」、「妻が住んでいる自宅は、私が住宅ローンを払っているし、電気・ガス・水道料金も負担しているので、これ以上払えない。妻も働いて生活費を稼げばいい。」とだけ言ってもだめです。

裁判所からは、双方に、収入金額を裏付ける源泉徴収票、所得証明書などの提出を求め、夫には住宅ローン、公共料金などの支払に関する証拠書類の提出を求めるでしょう。
ところで、調停では、裁判所が、婚姻費用及び養育費算定の基準を公表しており、双方の収入から簡単に、婚姻費用金額が分かり、この金額で調停が成立することが一般的です。

今回の事例は、妻が専業主婦なので、収入は原則0円です。しかし、潜在的稼働能力がある(働こうと思えば働ける)場合には、パート・アルバイト労働者の平均賃金を基準(政府統計の「賃金センサス」)にして、稼働能力があるとされ、100万円から150万円程度の収入があるとみなされるかもしれません。この点は、調停でもきちんと主張する必要があります。

但し、妻に健康上の問題があるとか、幼い子供(大体3歳前後がめどです)の育児で働けないといった事情があれば、潜在的稼働能力がないとされます。

ところで、婚姻費用はいつから支払うべきでしょうか。これまでは婚姻費用分担調停申し立て時から、とされてきましたが、最近は、婚姻費用の請求の意思を相手方に通知した時から、と考えるようになってきました。ただ、配達証明付き内容証明郵便で請求した方が良いです。もっとも別居後、財産分与調停申し立て時までの婚姻費用についても、財産分与の精算の中で、考慮されてきました。

それから、夫が自宅を出て、家賃と、住宅ローンを負担している場合、住宅ローンの一部を(住宅ローンの返済は、夫の資産形成に資する面もあるので、全額控除はできません)婚姻費用から控除できます。

ところで、妻の不倫がある場合には、妻の婚姻費用相当額(子供の生活費を除く)を認めない可能性が高いです。

月刊東海財界 2022年3月号掲載

婚姻費用・養育費の算定基準が変わるそうですが、離婚時期についてアドバイスをお願いします

私は現在45歳で、夫は48歳です。子供は18歳の長男(高校三年生)、15歳(中学三年生)の長女がいます。

私は正社員で年収250万円、夫は年収600万円です。実は夫との離婚を考えていますが、すぐに離婚すると、子供をかかえて生活していくのに不安があります。

いますぐ離婚せずとりあえず別居して、婚姻費用をもらい、時期を見て離婚して養育費をもらおうと考えています。
裁判所で調停や裁判をした場合の、算定基準が変わると聞いていますが、そのこともふくめてアドバイスをお願いします。

女性としては、収入が一般的に少ないので、婚姻費用・養育費がどれだけになるかは重要な関心事です。私も、女性の代理人として婚姻費用・養育費を請求する場合、未成年の子供をかかえているケースでは、調停や裁判で認められる金額が少ない、と感じることがよくあります。

裁判所が指針としている婚姻費用・養育費の基準表は、東京・大阪の裁判官、調査官による養育費等研究会が、平成15年4月に判例タイムズ(法律誌)で発表したもので、全国の裁判所において採用され、ネットで誰でも見ることができます。

この算定表は、子どもの年齢や人数、支払者と受取者の年収に応じて、金額がすぐに分かりますが、かねてより低額で、シングルマザーにとって厳しい金額となっているとの批判がありました。

ちなみに今回の事例で当てはめると、婚姻費用は約12万円、養育費は約9万円強となります。女性の収入がそこそこあるので、何とか生活していけそうですが、お子さんの衣食や、学校関係費用もかなりかかるので、苦しいと思います。夫の収入がさらに低く、妻の収入が少なくなれば、妻の婚姻費用・養育費を含む総収入はかなり下がっていき、もし専業主婦だと生活が困難になるでしょう。

実は、平成28年11月15日に日本弁護士連合会は、現在の算定表が、時代に対応しておらず、分担義務者の生活水準に比べて、養育費・婚姻費用がかなり低く算定されているとして、独自の検討を経て算定表を公表しました。しかし、裁判の実務では採用されることはなかったです。

このような流れを受けて、最近、この算定表について、最高裁司法研修所が見直すことが公表されました(執筆後の12月23日、新算定表がウェブサイトに掲載されました)。
裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

現行の算定表による婚姻費用・養育費が低額すぎるとの批判があったので、増額される方向での内容になりますが、夫婦の収入などによって、増額の程度は異なるものと思われます。

なお、とりあえず別居して婚姻費用をもらい続けて、すぐには離婚をしないとの作戦は、夫の収入が多くて婚姻費用がたくさんもらえる場合にはお勧めします。しかし、夫の収入が少ない時は、離婚した際に母子手当がもらえたり、市営住宅などに入りやすくなることのメリットを総合して判断することが得策です。

月刊東海財界 2020年新年号掲載

突然出て行った妻に、生活費を払う必要はありますか?

私は、今年65歳をむかえ、勤めていた会社も退職し年金生活者となりました。
毎月の年金額は33万円です。他に相続した土地を貸して毎月10万円賃料が入ってくるし、兄の株式会社の株主(結婚前から)となって、毎年配当金をもらっています。
2人の子供は独り立ちしています。

ところで58歳になる妻は、突然家を出てしまいました。
1 2万円のパー卜給与では生活できないので、生活費を払ってほしい、と言ってきたのですが、生活費を払う必要がありますか。

奥さんが不貞をして出て行ったというような場合は除き、生活費(婚姻費用といいます)を払う必要があります。このような事案については、まずそれぞれの年収を計算し、いわゆる標準算定方式・算定表に従い、その金額を決めます。

この事例では、あなたの年金額が33万円ですので、通常年額396万円を収入ととらえます。土地賃料の年間120万円は、あなたの特有財産(夫婦で共同して取得したものではないという意味)から発生します。また、配当収入も同様です。財産分与をする場合だと、このような賃料収入・配当収入から形成された預貯金は、対象財産からは除かれる可能性が高いと考えられます。

ところで、婚姻費用の算定基礎となる収入には加えられるのでしょうか。これらの収入は考慮外とする考え方もあり得ると思います。なお、奥さんについては、144万円が前提収入となります。
したがって、このそれぞれの年収をもとにして、夫婦のみの場合として、上記標準算定方式・算定表を見て決めることになります。

最近、裁判例で次のような注目すべき判断がされました。
このケースでは、夫は、会社からの報酬504万円、自社株から200万円の配当収入、公的年金128万円、不動産所得20万円がありました。第一審の家庭裁判所では、配当収入、不動産収入、年金収入を除いて、年間収入をとらえて、婚姻費用を月額9万円としました。配当収入200万円は夫婦の生活費に供されていなかった、と判断したのです。

ところが、大阪高等裁判所においては、給与以外に、配当金、不動産収入、年金収入も考慮して考えるべきであるとして、月額1 3万円に変更しました。夫側は、配当収入金や不動産所得は、夫婦の共有財産に当たらないから、収入認定は役員報酬に限定すべきと反論しましたが、たとえ夫の特有財産からの収入財産であっても、これが双方の婚姻中の生活費の原資となっているのであれば、婚姻費用分担額の基礎とすべき収入になると判断しました。

また、年金収入に関しても、本来働いている場合に認められる職業費の控除は、年金収入の場合には職業費(給与収入の20%程度)を必要としないから、年金収入を0.8で割った数字を所得として加えるべきであるとの判断をしました。
おそらく、婚姻費用の本質が、夫婦の扶養義務に基づくものだと判断したのでしょう。

月刊東海財界2019年10月号掲載

婚姻費用はどのような手続きで決まるの?

私は,10年前に結婚し,夫との間に6才の子どもがいます。

色々あって離婚を決意し,2か月前から別居しているのですが,夫が生活費を全く支払ってくれません。

私にはパートの収入しかないので,とてもやっていけません。

夫は名古屋市内に居住しており,私は四日市市内の実家に居住しています。

夫に婚姻費用というものを請求できると聞いたのですが,どのような手続きをとればいいのでしょうか。

 

婚姻費用の支払いを請求するには,調停申立と審判申立という2種類の方法があります。

話し合いが出来そうであれば,まず話し合いによる解決をめざす調停の申立をします。

これは相手方の住所地の家庭裁判所に申立てるものですので,ご主人が居住している名古屋市を管轄する名古屋家庭裁判所に申立てます。

調停をしても話し合いがつかず,調停が成立しないときには,調停は不成立として終了し,審判手続に移行します。

審判になると,裁判所が婚姻費用の金額を決定して,ご主人に支払いを命じます。

婚姻費用から住宅ローンは差し引ける?

私は,現在35才の会社員で,5年前に結婚し,妻と2才の長男と,名古屋市内の一軒家に住んでいました。

自宅は,3年前に購入したもので,住宅ローンを月10万円返済しています。

最近妻との関係が悪化したために離婚を決意し,現在私が単身自宅から出て,職場近くのアパートで生活しています。

住宅ローンは別居後も私が返済しているのですが,妻からは,住宅ローンとは別に,婚姻費用の支払を請求されています。

住宅ローンとして10万円も払っているため,正直私の生活も苦しいのですが,さらに婚姻費用を支払わなければならないのでしょうか。

住宅ローンの支払いには,資産形成のための費用という側面と,住居確保のための費用という側面があります。

婚姻費用を算定するにあたり,①誰が住宅ローンを支払っているか,②誰が住宅に居住しているのか,という点から,住宅ローンの考慮の有無及び金額を考える必要があります。

婚姻費用には,住居費分が含まれていますが,今回は,住宅ローンを夫が払うことにより,妻は,自分が居住している住居の費用を支払わずに済んでいるということになります。

したがって,基本的には,婚姻費用の算定にあたって住宅ローンの金額を考慮すべきといえます。

具体的にどのように考慮すべきかは,判例も分かれています。

単純に夫の収入額から住宅ローンの支払額を控除して算定する例,婚姻費用に含まれている妻の標準的住居費分を,婚姻費用から控除する例などがあります。

過去の婚姻費用は請求できる?

夫と私は,平成24年2月から別居しています。

夫の年収は約500万,私はパートで,年収70万くらいです。

夫からは,別居後,生活費を全く渡されておらず,私も別居しているのだから仕方ないと思っていましたが,先日,弁護士に相談しに行ったところ,夫には「婚姻費用」を支払う義務があると言われました。

そこで,8月に裁判所に婚姻費用を請求する調停と,離婚調停を申立てました。

当然,2月から7月までの分も払ってほしいのですが,過去の未払婚姻費用を請求することはできるのでしょうか。

 

婚姻費用は,「請求したときから」支払義務が生じるとする考え方が一般的です。

したがって,実務では,通常婚姻費用を請求する調停の申立時以降の分しか認められません。

ただし,過去の未払婚姻費用については,財産分与の中で考慮すべき一切の事情に含まれるとされていますので,一緒に申立てた離婚調停の財産分与の話し合いの中で,未払婚姻費用の清算を主張してください。

家を出ていった妻子の生活費を支払う義務がある?

ある日,A夫さんの妻B子さん(専業主婦)が「離婚してください。」という置き手紙を残し,小学生の長男と,2歳の長女を連れて,突然家を出て行ってしまいました。

B子さんは実家に帰っているようですが,A夫さんが浮気したと主張し,話し合おうと言っても会ってくれません。

ただ,毎月の生活費を銀行口座に振り込んでほしいというメールだけが届きました。

A夫さんとしては,勝手に出ていったB子さんのための生活費など払いたくないと考えていますが,A夫さんに生活費を支払う義務はあるのでしょうか。

 

夫婦は,別居に至った場合であっても,夫婦である以上,婚姻費用を分担して負担する義務があります。

婚姻費用とは,家族の資産,収入,社会的地位に応じた通常の社会生活を維持するのに必要な費用,つまり,衣食住の生活費及び未成熟の子どもの養育費などのことを言います。

したがって,A夫さんは,B子さんと子どもたちの生活費を負担しなければなりません。

別居,離婚に至った原因がA夫さんにある場合はもちろん,B子さんにある場合でも,原則としてA夫さんが婚姻費用の支払義務を負うことにかわりはありません。

なお,婚姻費用の金額については,もっぱら夫婦の収入,子どもの年齢・人数によって決まります。

かつては一定の計算式に基づいて計算していたのですが,現在では,一般的な場合の婚姻費用については,算定表が使用され,簡易迅速に算定をすることが可能となっています。

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