【養育費(婚姻費用)】婚姻費用分担調停において、子供らの私学費用の負担額を減らした事例

  • 依頼者:男性(30代)会社員
  • 相手方:女性(40代)会社役員
  • 子ども:3人

事案内容(相談までの背景)

妻から、離婚調停の申立をされるとともに、婚姻費用についても調停を申し立てられたということで当事務所に相談に来られました。

そして、具体的な相談内容としては、子供3人の高額な私学費用を相当額負担するよう妻から求められたが、そもそも私学への進学について承諾をしていないので、できれば私学の費用については負担したくない。また、仮に一定額負担しなければならないとしても、現在の収入からすると、高額な負担は無理なので、できる限り負担額を減らして欲しいという内容でした。

当事務所の活動結果(受任から解決まで)

調停では、子供らの私学費用を負担することについて、依頼者の承諾があったといえるかが争われました。

妻側は、入学する前に、家族みんなで学校に見学に行っていることや、依頼者が積極的に反対しなかったこと等を理由に、黙示の承諾があったと主張しました。

これに対し、こちらは、依頼者が見学に行った時には、すでに学校に進学することがほぼ決まっており、承諾したわけではないと反論しました。また、夫婦で協議をした事実はなく、一方的に妻側が学校の進学を決めた等の主張をしました。

そして、1年近くに及ぶ話し合いの結果、3人の子供のうち1人については、依頼者の負担額をゼロにすることができました。また、2人分の私学費用も、依頼者の収入を踏まえて、かなり抑えられた内容で婚姻費用の分担調停を成立させることができました。

解決のポイント(所感)

bengosi

私学費用の負担については、入学する前に承諾があったかが問題になることが多いです。

本件では、子供らの私学進学に関して、どのようなやり取りが当時なされていたのかについて、LINEのやり取り等の客観的な資料に基づき主張をしたことにより、黙示の承諾を一部否定することができました。

争われた時には、やはり客観的な証拠が大事になってきますので、LINEやメールのやり取り等は消さずに保存しておくことが大事になってくると思われます。

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