離婚に関するQ&A

離婚届は一人でも出せる?

先日夫と夫婦喧嘩した際に,離婚届に署名・押印してしまいました。

感情的になって,つい離婚する,と言ってしまったのですが,本当は離婚したくありません。

夫に離婚届を返してほしいと言っても,返してくれません。

この離婚届によって,離婚が成立してしまうということはあるのでしょうか?

 

日本では,夫婦双方に離婚の意思があれば離婚することができます(協議離婚,民法763条)。

裁判所などで手続を行う必要はなく,みなさんご存じのとおり,離婚届を市区町村役場に届け出るという手続になります。

このような簡単な手続であるため,ご主人が離婚届を提出することが可能です。

もちろん,他方当事者に離婚の意思がなければ,離婚は無効なのですが,役場で有効か無効か判断することはできませんので,裁判所で,離婚が無効であるとの判断をしてもらわなければなりません。

このような事態を防ぐためには,あらかじめ,「自分には離婚する意思がないので,離婚届が提出されたとしても受理しないで下さい。」,と申し出ておくしかありません。

これを離婚届の不受理申出と言い,各市町村役場に申出書の用紙が備え付けられています。

なお,不受理期間は,申出をした日から,不受理申出を取り下げる旨の届出がされるまでの間となります。

※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。

                       

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監修者プロフィール

弁護士 片岡 憲明

弁護士 片岡 憲明

弁護士法人 片岡法律事務所 代表
愛知県弁護士会所属 登録年(平成15年)

1977年岐阜県大垣市生まれ。東京大学法学部卒業、2001年司法試験合格。2003年より弁護士登録し、名古屋市を拠点に法律実務に従事。現在は、弁護士法人片岡法律事務所に所属。

企業法務・交通事故・民事再生といった案件に携わった経験をもとに、現在は個人・法人問わず多様な相談に対応している。特に、離婚・相続などの家事事件や、労働問題・特許訴訟など企業法務に強みを持つ。

愛知県弁護士会および日弁連の各種委員会にも長年にわたり参加し、司法制度や法的実務の発展にも尽力。現在は日弁連司法制度調査会商事経済部会副部会長を務める。

常に変化する法的課題に真摯に向き合い、依頼者一人ひとりにとって最良の解決を目指している。

電話で問い合わせ052-231-1706
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