離婚に関するQ&A

うつ病は離婚原因になる?

私の夫は半年前にうつ病と診断されました。

病気なのだから仕方ないと思いますが,いらいらして私に当たり散らしたりするため,私まで病気になりそうです。

法律では精神病が離婚原因となっていると聞きましたが,うつ病であればすぐに離婚できるのでしょうか。

確かに,法律上,精神病が離婚原因の一つとなっています。

ただし,法律では,「強度の精神病にかかり,回復の見込みがない」ことが離婚原因である,という規定の仕方をしていますので(民法770条1項4号),同規定に該当するためには,単なる精神病ということでは足りず,「強度」かつ「回復の見込み」がないことが必要です。

したがって,うつ病であるからといって,直ちに離婚できるというわけではありません。

さらに,判例は,離婚が認められるためには,病気になった当事者の離婚後の生活の手だてについても,ある程度見込みがつく状況でなければならないとしています(最高裁昭和33年7月25日判決)。

つまり,公的保護や財産分与などにより,ご主人が離婚後も生活できるような状況でなければならないということです。

※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。

                       

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監修者プロフィール

弁護士 片岡 憲明

弁護士 片岡 憲明

弁護士法人 片岡法律事務所 代表
愛知県弁護士会所属 登録年(平成15年)

1977年岐阜県大垣市生まれ。東京大学法学部卒業、2001年司法試験合格。2003年より弁護士登録し、名古屋市を拠点に法律実務に従事。現在は、弁護士法人片岡法律事務所に所属。

企業法務・交通事故・民事再生といった案件に携わった経験をもとに、現在は個人・法人問わず多様な相談に対応している。特に、離婚・相続などの家事事件や、労働問題・特許訴訟など企業法務に強みを持つ。

愛知県弁護士会および日弁連の各種委員会にも長年にわたり参加し、司法制度や法的実務の発展にも尽力。現在は日弁連司法制度調査会商事経済部会副部会長を務める。

常に変化する法的課題に真摯に向き合い、依頼者一人ひとりにとって最良の解決を目指している。

電話で問い合わせ052-231-1706
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