不貞相手に請求できる「損害」とは?

不貞行為が原因で精神的苦痛を受けた場合、その精神的苦痛(を金銭評価したもの)が「損害」になります。これが「慰謝料」と言われるものですが、そのほかにも一定の損害賠償が請求可能です。

以下、不貞相手に請求できる損害として、どのようなものがあるかご説明します。

1 慰謝料

精神的苦痛の程度は、目に見えるものでも数値化できるものでもありませんので、裁判所が様々な事情を総合評価し、金銭評価します。1つの精神的苦痛の程度を示す要素として、精神疾患の発症があります。

たとえば不眠、食欲不振などの体調不良や、無気力になるなどの精神面での不調に悩まされている場合には、ぜひ一度医師の診察を受けましょう。

心身の不調の治療をしてもらうという意味がることはもちろん、診断書によって、精神的苦痛の程度を示すことにつながります。

2 弁護士費用

交渉や調停では現実的にはなかなか難しいですが、不倫の慰謝料請求で訴訟まで行う場合には、不倫と相当因果関係のある弁護士費用も「損害」として請求することが可能です。

弁護士費用という名前ですが、現実に弁護士に支払った金額が、そのまま認められるというわけではありませんので、ご注意ください。一般的には、慰謝料額の10パーセント程度(慰謝料が300万円と認定された場合、弁護士費用の額は30万円となります。)が認められます。

3 探偵事務所などの調査費用

不貞行為の証拠については、探偵事務所の報告書があることをご説明しましたが、訴訟になった場合には、この調査に支払った費用についても、「損害」として請求する余地があります。

ただし、必ずしも損害として認められるわけではありませんし、認められる場合であっても、かかった費用がそのまま認められるわけでありません。

したがって、訴訟を行えば相手方から回収できるだろう、という見込みで調査を依頼することはおすすめしませんので、ご注意ください。

監修者プロフィール

弁護士 片岡 憲明

弁護士 片岡 憲明

弁護士法人 片岡法律事務所 代表
愛知県弁護士会所属 登録年(平成15年)

1977年岐阜県大垣市生まれ。東京大学法学部卒業、2001年司法試験合格。2003年より弁護士登録し、名古屋市を拠点に法律実務に従事。現在は、弁護士法人片岡法律事務所に所属。

企業法務・交通事故・民事再生といった案件に携わった経験をもとに、現在は個人・法人問わず多様な相談に対応している。特に、離婚・相続などの家事事件や、労働問題・特許訴訟など企業法務に強みを持つ。

愛知県弁護士会および日弁連の各種委員会にも長年にわたり参加し、司法制度や法的実務の発展にも尽力。現在は日弁連司法制度調査会商事経済部会副部会長を務める。

常に変化する法的課題に真摯に向き合い、依頼者一人ひとりにとって最良の解決を目指している。

電話で問い合わせ052-231-1706
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