不貞慰謝料の時効

不貞行為の事実を知っても、すぐに慰謝料請求すべきかどうか、悩む場合もあると思います。 しかし、不貞行為の事実を知ってから、長期間経過してしまうと、時効にかかり、慰謝料請求できなくなってしまいますので、注意してください。

不貞相手に慰謝料請求する場合の権利は、法律上、不法行為に基づく損害賠償請求権となり、消滅時効は3年となっています(民法724条)。

いつから3年かというと、「損害及び加害者を知ったとき」からです。
したがって、配偶者が不貞していることを知ってから、3年が経過してしまうと、もう不貞相手に対して慰謝料請求はできなくなるということになります。

では長期間不貞行為が継続している場合はどうなるでしょうか。

たとえば、5年前に不貞行為の事実を知ったけれども、今なお不貞行為が継続している場合には、既に「知ったとき」から3年経過しているので、慰謝料請求ができなくなるでしょうか。

この場合、3年を経過してしまった分は、すでに時効が完成しているので、慰謝料請求はできません。 ただし、2年分については、まだ時効が完成していないことになりますので、慰謝料請求が認められる余地があります。

もっとも、一部は時効が完成しているということで、慰謝料額は下がる可能性が高いでしょう。
いざ慰謝料請求しようと思ったら、時効になってしまっていたということがないように、早めに行動されることをおすすめします。

なお不倫により離婚することとなり、配偶者に離婚慰謝料を請求する場合には、離婚が成立したときから消滅時効が進行することになりますので、離婚成立後3年以内であれば、慰謝料が請求できることになります。

不貞慰謝料が請求できるのか、時効にかかっていないかは、専門的な判断が必要ですので、弁護士へご相談ください。

監修者プロフィール

弁護士 片岡 憲明

弁護士 片岡 憲明

弁護士法人 片岡法律事務所 代表
愛知県弁護士会所属 登録年(平成15年)

1977年岐阜県大垣市生まれ。東京大学法学部卒業、2001年司法試験合格。2003年より弁護士登録し、名古屋市を拠点に法律実務に従事。現在は、弁護士法人片岡法律事務所に所属。

企業法務・交通事故・民事再生といった案件に携わった経験をもとに、現在は個人・法人問わず多様な相談に対応している。特に、離婚・相続などの家事事件や、労働問題・特許訴訟など企業法務に強みを持つ。

愛知県弁護士会および日弁連の各種委員会にも長年にわたり参加し、司法制度や法的実務の発展にも尽力。現在は日弁連司法制度調査会商事経済部会副部会長を務める。

常に変化する法的課題に真摯に向き合い、依頼者一人ひとりにとって最良の解決を目指している。

電話で問い合わせ052-231-1706
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